雲晴夏木の独り言

#人外と人間 で100日かけて100本掌編を書こう企画その13!

Day.13  貘

 眠るミーナの頭の上に、貘がいる。どこぞの誰かの夢を、わざわざミーナの頭の上で食べているようだ。
 このまま貘の重さにうなされるミーナを見るのも面白いが、わたし以外がミーナに触れているのは面白くない。
 わざとらしく咳払いし、わたしは貘に話しかけた。
「そんな場所で彼女の夢ではなく他人の夢を食べるのは、どういう理由からだ?」
 貘はゆるゆると頭をもたげると、こちらを向いた。眠たげな目がわたしを捉える。
「あのねぇ、ここはねぇ、座り心地がいいんだぁ」
「きみにはそうだろうが、ミーナにとってはそうではない。せめてクッションに乗ってやってくれ」
「この子はねぇ、守られてるからねぇ、心地がいいんだぁ」
 答えになっていない。ミーナのうなされる声がわずかに大きくなる。言葉で促しても移動しないなら、力で移動させるまで。
 わたしは指をぱちりと鳴らし、貘の尻尾に火をつけてやった。
 ギャッと声を上げた貘はそのまま姿を消し、その声に驚いたミーナががばりと起き上がった。
「レオっ? 今の声、なぁに?」
「今の声? 何のことだい?」
 とぼけるわたしを疑うこともなく、ミーナは「夢だったのかな……」とまたベッドに潜り込んだ。貘のせいで乱れた髪を直してやりながら、「おやすみ」と微笑みかける。ミーナはもう瞼が上がらないらしい。「おやすみなさい」ともごもご呟いたかと思うと、すぐに寝息を立て始めた。
 健やかな寝顔は、あの頃と何ら変わらない。
 懐かしく愛おしいミーナの寝顔を、わたしは朝が来るまで、飽きることなく見つめていた。伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書こう企画 12日目。

Day.12. 星屑

 ある夜のこと。自室の窓を開けたら、星屑が飛び込んできた。星ではなく星屑と称したのは、本当に小さな星々だったから。
 その星屑たちは、まるで仔犬のように私のウエスト辺りでくるくる回った。甲高く小さな声が、私の名を呼ぶ。
「ミーナ、ミーナ」
「可愛いねぇ、ミーナ」
「連れてっちゃいたいねぇ」
「連れてっちゃおうか」
「連れてっちゃおうよ」
「そうしよう」
 え、と思う間もなく、私の体は宙に浮いた。星屑は私の周りをくるくる回るまま、私を窓の外へ連れて行く。
「れ、」
 レオ、と言い切る前に、レオの白い手袋をはめた手が私の手を掴んでいた。
「ミーナを連れていくなら、お前たちを星屑と呼べないほどに砕くぞ」
 レオの低い唸り声は、私すら身震いするほど恐ろしかった。それは星屑たちも同じだったようで、くるりくるりと回りながら、私のウエスト周辺から首周辺、そしてつむじの上へと移動し、夜空へ帰って行った。
 私を窓の中へ戻さず、宙に浮かせたままで。
 星屑たちの不思議な力を失い、私の体はそのまま外へ落ちていくかと思われた。けれどレオがいる限り、そうはならない。
 レオは窓から飛び出して、私を抱え宙に浮いた。そのまま横抱きで抱えられ、部屋の中に戻る。
「危なかったね、ミーナ」
「助けてくれてありがとう」
「きみを守るためにそばにいるんだ、当然さ」
 おやすみと低く囁き、レオは私をベッドへ運んだ。毛布を被せられ、私は一先ず目を閉じ眠ったふりをした。けれど実のところ、眠れはしなかった。
 レオに触れられた手が、背中が、じんわりと熱い。心臓が声高にときめきを訴えていて、まだまだ眠れそうになかった。伏せる
#人外と人間 の100日で100本掌編書くぞ企画その11。

Day.11. 白猫と踊る

 小さい頃、白猫が庭に棲みついたことがある。いつからか姿を見せなくなったけれど、青い瞳が綺麗な猫だった。名前はパール。野良と思えない白い毛並みから、母がそう呼んだのが始まりだった。
 なぜこんな昔話をしているかというと、今私は夢を見ているからだ。パールそっくりの猫……の頭を持った王子様が、恭しく私の前で膝をつき、ダンスに誘う夢。
「僕と踊ってくれますか、ミーナ」
 夢を見ている、と直感でわかった。広いダンスホールにいるのは誰も彼も猫頭だったし、シャンデリアがくすくす笑いながら私たちを見下ろしていたからだ。
 夢だとわかっていたけれど、気づけば私の口は「はい」とうなずいていて、体はパールの白い手を取っていた。
 音楽に合わせて踊りながら、パールが喉を鳴らして笑う。
「ミーナ、ミーナ。きみはまだ忘れてるんだねぇ」
「あら。あなたも私に思い出させようとするの、パール?」
「いいや? 僕は忘れていたままのほうがいいと思うよ。思い出せないってことは、思い出さないほうがいいってことなんだからね」
「そうでしょ? そうよねぇ。なのにレオは、思い出させようと必死な気がする」
「悪魔ってそういうものさ。それよりもほら、今は僕とのダンスに集中して。夜はまだ長いんだから!」
 音楽ががらりと変わる。パールは私をぎゅっと抱き寄せ、くるりくるりとしなやかに回る。私はパールの足を踏まないようにするのが精一杯で、音楽を楽しむ余裕もなかった。
伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書くソロ企画

Day.10 鋏は口を開かない

 祖母の遺品の一つに、裁縫箱がある。柵に引っかけて取れそうになったボタンを縫い付けるため久しぶりに蓋を開けたら、今まで気づきもしなかったものに気づいた。
 子供が見たら喜んで使いそうな、持ち手が赤い裁ち鋏だった。何の気なしに手に取り、刃を開こうとする。
 これが、開かない。鈍く光る刃は、まるで固く閉じた貝のように開かない。無理に開こうとすると、何と鋏は、手を跳ね返すようにぶるぶるっと震えた。
「切るのを拒む鋏なんて、存在する意味がないだろうに」
 背後から聞こえたのは、面白がるレオの声だった。
「ひどいこと言うのね」
 物言わぬ物とはいえ、そんなひどい言葉を投げかけなくてもいいだろうに。抗議を込めて軽く睨むと、レオは「事実だろう?」と肩をすくめた。
「切るのを怖がる鋏に、何の存在意義がある?」
「……怖いの?」
 まだ震えている鋏を撫でる。すると鋏はほんのわずかに、しゃきりと口を開いた。
 その瞬間、私の脳裏に()()の記憶が断片的に流れ込んだ。
 ――鋏で遊ぶ私、そのそばにいて見守るレオ。
 ――鋏でうっかり指を切る私。そして赤い血――
 私は思わず鋏を抱きしめた。
「もう大丈夫、私はもうそんな風に怪我なんかしないよ」
 鋏は震えを止め、しゃきん、と小さく音を立てた。まるで「ありがとう」と言うように。
 私は鋏を丁寧に箱へ戻しながら、それにしても、とレオを見やる
 どうしてもレオは、自分との記憶を思い出させたいらしい。鋏を片付ける私を見て、期待に目を爛々と光らせている。
 ――思い出させて、どうしたいんだろう。何を思いだしてほしいんだろう。
 尋ねもしないのだから、答えはない。私は何も考えないふりをして、ボタン付けに必要な道具を取り出した。伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書くソロ企画

Day.9 ひとくちの魔法


 母が「娘とクッキーを焼くのは母親の夢なのよ!」と言い張ったから、特別な日でも何でもないけれどクッキーを焼くことになった。難しいことは何もしない、簡単なレシピだった。
 けれど量は三人家族には多すぎるほどで、焼き上がったそれを母は「学校でお友達と食べなさいな」と小分けにしてくれた。私に友達はいないけれど、母が心配することをわざわざ言う必要もない。
 小分けにしてもまだ余るクッキーをお皿に盛り付け、紅茶と一緒にトレーへ載せて部屋へ持ち帰る。勉強のお供にしようと思ったからだ。
 部屋へ戻ると、珍しくレオが姿を現して私を待っていた。
「どうしたの、レオ」
「いや、なに、その……」
 これもまた珍しいことに、レオが言い淀んでいる。よく見れば、尻尾が揺れている。それはもう、ふおんふおんと音が聞こえそうなほどに。レオの感情がいかに乱れているかを表しているみたいだ。
「何かあったの?」
 私の問いに、レオは恥ずかしげに口元へ手をやると、ステッキを持っている手で私を指さした。正確には、私の持つトレーを。もっと詳しく言えば、その上のクッキーを。
「バターの香りが、懐かしくてね」
 一つもらえないだろうか、と小さな声がクッキーをねだる。断る理由は何もない。どうぞ、とトレーを差し出すと、レオはクッキーを一枚摘まんだ。そのまま口へ運び、さくりと音を立てる。
 レオの目元が和らぐ。心の底から嬉しそうな目だ。私はその目を見て、なぜだか懐かしさを感じた。
「きみたち人間は魔法を使えないのに、よくこんな美味しいものを作れるね」
「悪魔に美味しいと思ってもらえたなら、それはもう魔法かもしれないわね」
「違いない」
 微笑みながら「ごちそうさま」と言うレオに、なぜだか少しドキドキしてしまった。でもそれは気のせいだと思うことにする。だって悪魔に恋だなんて、平穏からあまりに遠いんだもの!
 私の気も知らず、レオは「やっぱりもう一枚……」と恥ずかしそうにおねだりをしていた。
伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書くソロ企画

Day.8 聞こえない声


 昼日中。日傘を差してお遣いに出た帰り道のこと。私の足にぴったりついて歩く影が、私の声で話しかけてきた。
「ミーナ、聞いてミーナ」
 きょろきょろと辺りを見回す。幸い、私が独り言を言っても気にするような通行人は誰もいなかった。
「あなたが話しかけてくるなんて、初めてね」
「ええそうよ。だって影は話さないもの。そうでしょう?」
「それもそうね」
「だけどそうも言ってられないわ。あなた騙されてるんだもの!」
「私が? 誰に?」
「レオよ。あの悪魔によ!」
 思わず背後を振り向く。レオはいない。いつもそばにいるとはいえ、彼が姿を現す時間は驚くほど短い。今もどこにいるのやら。私は自分の影に、思わず「滅多なこと言わないで」と咎めた。
「レオは私を何度も助けてくれたわ」
「もちろんレオはあなたを助けるわ。だってレオはあなたを――」
「わたしが何だい、影のお嬢さん」
 レオの声が、背後から覆い被さるように聞こえた。振り向けばレオはにこやかな顔(ライオンの顔に『にこやか』なんて表現するのも不思議だけど)で私を通して私の影を見下ろしていた。
 レオに影はない。悪魔だもの。なのになぜか今は、レオに覆い被さられ影ができている気がする。
 震えるのは私か、影か、どっちなんだろう。
「レオ……レオ、何でもないのよ。影が話すなんて、ないもの」
「……きみが言うならそういうことにしておくよ、ミーナ」
 レオは肩をすくめ、私から一歩離れる。呼吸が小さく浅くなっていた私は、細く深く、息を吸い込んだ。
「影とのおしゃべりを楽しんでいたわけじゃないなら、急いだほうがいい。そろそろ雨が降る」
 空を見上げると、鉛色の雲が青を覆いつつあった。急ぎ足で家へ向かう。ちらりと後ろを振り返ると、レオはもう姿を消していた。
 ――あなた騙されてるんだもの!
 私の声でそう訴えた影の言葉を思い出す。
 私はレオとの何かを忘れている。
 私はレオに騙されている。
 不穏なピースがちりばめられていく。けれど私はそれらを拾わない。集めない。繋げない。だってそれは、平穏からほど遠いから。
 家に着いた途端、雷鳴と共に雨が降る。バケツをひっくり返したような、ひどい雨だ。
「忠告したのに、ひどい、ひどい……」
 すすり泣くように呟く影の声は、豪雨にかき消され聞こえなかった。
伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書くソロ企画

Day.7 鍵


 しとしとと雨の降る日のこと。私は母から屋根裏の掃除を言いつけられた。そこには小さい私が遊んだおもちゃや、もう読まなくなった絵本がうずたかく積まれている。
 埃っぽいその部屋で、私は何冊ものスケッチブックを見つけた。誰のだろう、なんて考えるまでもない。この家には私以外に子供がいなかったから、私が書いたものだ。
 スケッチブックを一枚めくれば、絵日記と呼ぶには日付がない、けれど字を覚えたばかりの私が一生懸命その日の出来事が書かれていた。
『おじいちゃんにまほうのくすりをつくってもらった』
『おかあさんとクッキーをやいた』
『おとうさんがたこあげをしてくれた』
 内容はどれもとりとめのない、日常を記したものばかり。けれどある一ページで、日常は壊れた。
『レオとあそんだ』
 描かれているのは、拙いながらもライオンとわかる頭の紳士。これは鍵だ、と私は悟った。
 これは、記憶の鍵。私は何かを忘れてしまっている。このスケッチブックは、思い出すきっかけの一つだ。
 思い出す唯一の機会かも知れない。けれど私は、そっとスケッチブックを閉じた。
 思い出せば、平穏に戻れない気がした。
「何を見ていたんだい、ミーナ?」
 レオが私の背後から声をかける。いつもなら肩から覗き込むだろうに、今日はそれをしない。
 私は「何も」と首を振り、スケッチブックを『捨てるもの』に分類した。
 私は何かを忘れている。
 忘れているから、何も起こらない。
 私の周りでは、今日も何も起きなかった。
伏せる
#人外と人間 で100日かけて100本掌編書くぞしかしその実態は休日に何本か書いて平日書けない分を補ってるぞ企画

Day.6 約束の時間


 夢を見た。何もない、強いて表現するなら分厚い雲の中のような空間で、誰かが「夕方の五時だよ」と私に言う。男か女か判然しない、ぼんやりとした声だった。見回しても、相手の姿は見えない。私がどこへともなく「五時に何があるの?」と聞いても相手は答えず、「約束だからね」とだけ言った。そして私は目を覚ました。
 体を起こして固まる私に、レオが「どうしたんだい」と尋ねる。私が「変な夢を見たの」と夢の内容を話した。レオは「それは変な夢だったね」と微笑むだけだった。
 その日一日、私は時間が気になって仕方がなかった。あらゆる時計の針が進んでいくのを見つめずにいられない。授業にも集中できず、何度叱られたことか。
 授業を終え、家に帰っても時計が気になるのは変わらない。むしろひどくなった。何せ家にある時計が、一斉に狂いだしたのだから。
 同じ時間に合わせていた時計がてんでばらばらの時間を刻み始める。それに伴って、家の中の時間が進んだり、戻ったりし始める。私だけがその影響を受けないまま、立ち尽くした。
「れ、レオ……レオ、レオ!」
「何だい、ミーナ」
 姿を消していたレオが現れ、私のそばに立つ。私はレオに縋りつき、風をどうにかした時のように懇願した。
「助けて、これをどうにかして!」
「そうすると約束が果たせない。それでもいいんだね?」
 いいも何も、約束をした覚えはない。誰かとの約束なんて、もう何年もしていない。私が「約束を守れなくてもいいから、時計を戻して!」と叫ぶと、レオはパチリと指を鳴らした。
 途端に、時計たちは好き勝手に時を刻むのをやめた。家の中の時間が元に戻る。時計の針も、すべて父が合わせた通りになっていた。時計はもう、午後五時を過ぎていた。
 ――約束、守れなかった。
 ふとそんなことが頭を過った。けれど覚えていない約束よりも、私には今日の平穏が大事だった。
「何も起きてない、私の周りでは、今日も何も起きてない……」
 繰り返す私に、レオだけが優しく――どこかおかしそうに――微笑んでいた。
伏せる
#人外と人間 の100日100本掌編書くぞ企画

Day.5 ふたつの月


 夜、お祈りを終えて空を見上げると、月が二つ浮かんでいた。今まで気づかなかった。いつから月は二つになったんだろう。
 不思議に思う私の頭を読んだように、レオが言う。
「あれは願いの成れの果てさ。承認欲求の成れの果てとも言えるね。誰かに自分の存在を認めてほしい、見てほしいと願い続け、しかし叶わなかった願いが集まりああして月の形を成した」
「全然、気づかなかった」
「きみの祖父はああいったものも見えないようにしていたからね」
「守られていたのね、私」
「守られているよ、今も」
「そうね、レオがいるものね」
 風の噂を消してくれたことを思い出しながら、窓を開ける。部屋の暗がりに佇むレオへ、ねえ、と呼びかける。
「あの月に、私の声は届く?」
「届くと思うが、伝わるかはわからないよ」
「届くなら、少し話してみる」
 今度は夜空に向かって、ねえ、と話しかけた。
「一人は寂しいかもしれないけれど、慣れればそう悪くないと思うの。人に見られるのって大変よ。揚げ足を取る人だっているし、悪く言う人だっているし、それに――」
 私が話している間に、二つ目の月はぐんぐんこちらへ落ちてきた。そこには人の顔が浮かんでいて、私をぎろりと睨みつけている。
 月に浮かぶ顔の鼻先が私の鼻先にくっつきそうになった頃、月は一言こう言った。
「わかった風な口をきくな」
 そう言って、偽の月はまた夜空へ戻っていった。私は震える手で窓を閉め、そっとベッドへ戻った。レオが笑いを堪えている気配を感じたけれど、気にする余裕なんてなかった。
 それ以来、私は空に二つの月が見えても見ない振りをしている。そうしていれば、私の日々は平穏なまま。
 今日も私の周りでは、何も起こらない。
伏せる
#人外と人間 の100日100本掌編書くぞ企画

Day.4 落とし物


 帰り道、懐中時計を拾った。随分古めかしく、そして動いていない時計だった。石畳の真ん中にころりと転がるそれは、うっかり誰かに蹴飛ばされてしまいそうだった。
 私が拾い上げた時計を見て、レオが言う。
「ああそれは、誰かの未練だね」
「そうなの?」
 私の肩から時計を覗き込み、レオは「そうさ」とうなずいた。
「この場所のその時刻に強い未練のある誰かが此処に来て、落としてしまったんだろう。きみは不思議なものを寄せる性質だから見えるし触れられるだけで、きっとほかの人間には見えもしないよ」
「そうなんだ……」
 真鍮の懐中時計は、その冷たさまではっきりと感じ取れる。なのにこれは誰かの未練が形を成したもので、物ではないらしい。
「これ、動かないのかな」
「未練を解消すれば動くかもしれないね」
「どうやって解消すればいいんだろう」
「さあ、本人がここにいないからね。わたしにはわからないよ」
「これ、私が持っててもいいかな」
「きみのお好きに、ミーナ」
 持ち帰った時計は、どれだけ螺子を回そうとしても動かない。学校帰りに毎日同じ道を通って落とし主を探してみるも、誰にも見えないものを落とした人だ、わかるわけがない。
「あ」
 ある夜、机の上に置いていた懐中時計がカチリと音を立てた。ベッドから起きて見に行くと、秒針の動き出した時計が雪のように消えていくところだった。
「レオ、時計が消えちゃう」
「いいことじゃないか。未練が消えたということさ」
「そっか。それもそうだね」
 消えゆく時計を見守り、未練が消えたことを祝う。「よかったね」と言祝ぐ私のそばでレオがぽつりと言った言葉を、私は聞き逃した。
「まあ本当は、いつまでもミーナがこんな時計にかかりきりなのもつまらないから、魂を奪ってやっただけだがね」
 レオの低い呟きは、私の耳には届かなかった。
 私の周りでは、今日も何も起こらなかった。
伏せる
#人外と人間 の100日100本掌編書くぞ企画

Day.3 祈り

 朝起きて身支度をする前と、夜寝る前、私は祈る。祈る相手は神様の時もあるし、産まれる前に死んでしまった祖母の時もあるし、つい最近死んでしまった祖父の時もある。
 ――今日も明日も何も起きませんように。静かに一日を過ごせますように。
 私は平和を愛している。私は静けさを愛している。静かで平穏であれば、それ以上は何も望まない。友達も、家族も、望まない。
「きみはいつも熱心に祈るね、ミーナ」
 おかしそうに笑いを堪え、レオが言う。お祈りをやめて振り向くと、いつもの三つ揃いに身を包んだレオがおかしそうに肩を揺らしていた。
「そんなに平穏が好きかい?」
「だって、静かで平和なのが一番だもの」
「つまらないだろうに、そんな人生」
「つまらなくていいの。悲しんだり怒ったりするのは、醜いから」
 思い出すのはまだ祖父が生きていて、私も幼かった頃。友達になる子が皆憑かれたように私に執着し争う姿。私から離れれば執着していたことすら忘れたあの顔。そして噂される『大魔術師の孫』の呼称。
「静かな生活があればそれでいい。私は静かに、穏やかに、誰も傷つけず傷つけられず過ごしたいから」
 そう言ってまた熱心に祈る私を見て、レオは楽しそう目を細めていた。
伏せる
#人外と人間 の100日100本掌編書くぞ企画

Day.2 風の噂


 祖父が死んで、分厚い本を受け取って、私のそばでは獅子頭の異形の紳士が控えるようになった。といっても四六時中見えるわけではなく、とってもプライベートな時間なんかはどれだけ見回しても姿は見えない。気遣いができるところも、とっても紳士的。
 祖父は私を人でないものから守ってくれていたらしい。それは本当のようで、祖父が死んで以来、様々なものに悩まされている。

 今一番の困りごとは、風だ。
 学校へ向かう道すがら、そばでつむじ風が起きたかと思えば、ひそひそくすくす笑い声が聞こえる。
「悪魔が目覚めちゃったねぇ」
「いつもあの子を見てたもんねぇ」
「あの子のおじいちゃんは死んじゃったねぇ」
「これからはいろんなやつらがあの子をほしがるねぇ」
 耳元で聞こえる内緒話がうるさくて、私は「レオ」と呟く。するとそばでパチリと指を鳴らす音がして、きゃあともひゃあともつかない叫び声が遠ざかっていく。もちろん、つむじ風も消えてしまう。

 昼間、食堂でお弁当を食べているとき。窓から吹き込んだ風が私のそばを通り抜け、ひそひそくすくす笑い出す。
「ミーナはひとりぼっちだねぇ」
「ミーナはあの大魔術師の孫だもんねぇ」
「近寄れないよねぇ」
「呪われちゃいそうだもんねぇ」
 食事の手を止め、レオ、と絞り出すように呟く。すぐそばで、ぱちんと音が聞こえた。わあともぎゃあともつかない声が、遠ざかっていった。

 こんなことを三日ほど耐えてみたけれど、夜眠るとき、窓の外で渦を巻く風が潜めた声で噂話を持ってくるのにはほとほと参ってしまった。
「ずっと親友だよなんて言ってたあの子、今じゃすっかりミーナを忘れてほかの子と仲良くしてるねぇ」
「ミーナのそばにいると、また自分が自分じゃなくなっちゃうからしょうがないねぇ」
「ほかの子にいろいろ言いふらしたのもあの子だよねぇ」
「ミーナのこと――」
 それ以上聞きたくなくて、ベッドに潜ったまま「レオ」と呼ぶ。「どうしたんだい」と穏やかな声が尋ねる。私は毛布から顔を出し、レオに初めてのお願いをした。
「風が私のそばで話さないようにして」
「仰せのままに、ミーナ」
 レオはそう言うと、ステッキで床をどんと突いた。すると外で唸り声を上げていた風が、ひぃと息の詰まるような声を残して遠ざかっていった。あとに残ったのは、夜の静寂だけ。
「ありがとう、レオ」
「この程度、お安い御用だとも」
 おやすみ、とレオが手袋をはめた手で私の頬を撫でる。撫でられたと思った瞬間には瞼が落ち、次の瞬間には深い眠りに落ちていた。

 目を覚まし、身支度を調える。朝食を食べ、学校に向かう。もう私のそばでつむじ風が舞うことはない。
 学校へ着き、自分の席に座っていても、食堂で一人ご飯を食べていても、もう風が私のそばで笑うことはない。
 帰宅し、夜になり、ベッドに入っても、窓の外で風が私に噂話を聞かせることはない。
 私の周りは、今日も静かだ。
伏せる
#人外と人間 で『100日かけて100本の掌編を書く』をやります。

Day.1 祖父の葬儀


 春のことだ。祖父が死んだ。何の不幸も絡まない、天寿を全うしての大往生だった。大好きな祖父が死んだのに涙が出なかったのは、祖父が眠るように穏やかな顔をしていたからかもしれない。もしくは、たくさんの秘密を持っていた人だったから、生き返るような気がしたせいかも。
 葬儀を終えると、父が私に一冊の分厚い本を差し出した。
「遺言で、死んだらお前に渡すように言われていたんだ」
 そう言う父の目はてんでバラバラな方向を向いていて様子がおかしかったけれど、葬儀の手配で疲れていたのかもしれない。私が本を受け取った後、操り人形のような動きで私の前から去って行ったけれど、あれもきっと、疲れているせい。
 本を受け取った私は自室に戻り、ベッドに腰掛けて表紙をまじまじと眺めた。不思議な模様がたくさん描かれている。けれど表題らしき字は読めない。いったい、何の本だろう。
 表紙をめくった瞬間、本から強い風が吹き出した。顔を襲う突風に思わず目を閉じる。風が止み、恐る恐る目を開ける。
 そこには、獅子の頭を持つ異形の紳士が立っていた。紳士だと断定できるのは、その異形が三つ揃いとステッキを持っていたせい。
「やあ、ミーナ。魔道書を受け取ってくれてありがとう。これからはきみの祖父・ヴィルヘルムに代わって、わたしがきみを守るよ」
 異形の紳士は恭しく腰を曲げ、私の手を取る。普通だったら叫び声を上げてしまう姿なのに、なぜだか私は彼が怖くなかった。手を取られたまま、私は異形の紳士に尋ねる。
「おじいさまは、何から私を守ってくれていたの?」
「人間ではないものからさ。きみは人外の者に好かれてしまう性質だからね」
「あなたのような?」
「そう、わたしのような」
 白い手袋をした手をパチリと鳴らし、紳士は花を取り出した。真っ赤で小さな花だった。紳士は私の髪に花を挿した。
「わたしはいつでもきみのそばにいる。困ったことがあれば『レオ』と呼んでおくれ。大丈夫、きみ以外に姿は見えないから」
 そう言って、どうやら『レオ』という名らしい紳士は獅子の顔で微笑んだ。夢でも見てるみたい。でも頬を抓れば痛いし、髪に挿された花に触れればしっとりとした感触がある。
「私以外には見えないの?」
「きみ以外に私を感知する者はいないよ」
「そう、じゃあ……」
 花に触れ、私は確かめるようにぽつりと呟いた。
「私の周りは、静かなままね」
 獅子の頭を持つ紳士は、蕩けそうなほど目を細めてうなずいていた。
伏せる
【バス停】
狐の紺君が人間の楓ちゃんの中学進学まで待っててバス通学にも付き合ってたら、というifも考えてたな〜っていう小ネタ。

 あふ、あふ、と楓ちゃんが息を吐く。
「そんなに湯気の立ってるもの、冷ましもせずに食べるからだよ」
 呆れる僕をちらと見上げ、楓ちゃんは照れくさそうに笑いながら肉まんを飲み込んだ。僕の手には半分に割られた片割れがある。楓ちゃんに、バスを待つ間一緒に食べようと渡された。食べていいのかな。この玉ねぎってやつ、僕の体によくなかった気がする。
 ふぅ、ふぅ。
 楓ちゃんが息を吹きかける。鼻先が赤い。バスはまだ来ない。楓ちゃんを待たせるなんて、悪いバスだ。
「バス、遅いね」
「ほんとに。楓ちゃん、寒くない?」
「平気。紺君が風上にいてくれるんだもん」
 風上に座るくらい、どうってことない。山に吹き荒ぶ冬の風に比べればこのくらい。隣に楓ちゃんがいれば、毛皮なしでいたってあたたかい。
「楓ちゃん寒くないならよかった」
「でも紺君は平気?」
「平気だよ、もちろん。ほら楓ちゃん、あんまり放っておくと肉まんが冷たくなるよ。ほどほどにあったかいうちに食べなくちゃ」
「わ、ほんとだ」
 ふう、ふう。あふ、あふ。
 楓ちゃんが食べる隣で、僕も食べるふり。ごめん、楓ちゃん。玉ねぎは嫌な予感がしちゃって……。
「あ」
「え?」
 楓ちゃんが声をあげる。もしかして、肉まんを食べたふりしてるだけなのがバレた?
「紺君、鼻が赤いよ。やっぱり寒い? マフラー使う?」
 そんな、まさか。このくらい寒くないはずなのに。でも、そうだな。楓ちゃんと一緒にいて、もう何年だっけ? 人の体でいすぎたかな。寒さに弱くなったかも。
「はい、これ」
 首に巻かれたのは、僕の名前と同じ色のマフラー。楓ちゃんの首には赤いマフラー。どうして、違う色のマフラーを?
 きょとんと目を瞬かせる僕に、楓ちゃんは「もう」と拗ねた顔。
「クリスマスプレゼント!」
「……僕に?」
「だって紺君、いつも一緒にいてくれるし。何かと気遣ってくれるし。何か……何か、お返ししたくて」
 おばあちゃんに教わって編んでくれたらしい。編み目一つひとつ楓ちゃんが僕を思ってくれたかと思うと、涙が出そうだ。
「ありがとう」
 自然と口をついて出た言葉に、楓ちゃんの表情が綻ぶ。
「こっちこそ、ありがとう」
 今僕らはとてもいい雰囲気な気がする。今なら正体を明かして楓ちゃんに求婚しても断られないんじゃ──。
「あ、バスだ!」
 いいタイミングで来てくれたものだ。今度事務所の時刻表を全部木の葉に変えておいてやろうか。いやそんなことすれば楓ちゃんまで困るからダメだ。まったく、どうやって八つ当たりしてやろう。
 なんて考えてても、楓ちゃんの一言ひと仕草でそんな気持ちは消え失せる。
「紺君、帰ろ」
 当たり前のように差し出される手をとって、バスに乗り込む。こうやって楓ちゃんが手を差し伸べてくれる間は、タイミングの悪さも許してやろう。楓ちゃんが笑って僕の名を呼んでくれる間は、事務所の時刻表を木の葉に変えるなんてことはしないでおいてやろう。
 つくづく楓ちゃんに弱いなぁと思わずにいられない冬の夕暮れだった。
伏せる

あれこのif書いてたっけ? いや書いてないはず。書いてないよね!?
#人外と人間
あんまりにも筆が進まないから140字小説にチャレンジしてたもの。未だに筆は進みません。何で?

【太陽の子】
真夜中の砂浜に太陽の子が落ちたようです。虫たちが「迷子になった太陽の子が泣いてるよ」とささめくので見に行くと、確かに太陽の子が、真昼の輝きを放って膝を抱えています月が不満そうなので、私は膝をつき声をかけました。「朝までうちに来る?」こうして太陽の子は、うちに住み着いたのです。伏せる

【鮮やかな沈黙】
私は人の心が読めます。百害あって一利なしの力ですが、彼と二人きりの時は違います。彼の思考は、例えるならば油絵。思考というキャンバスを感情という色彩が彩り、いつだって彼の心は色鮮やか。聞きたくも見たくもないものばかり見る力ですが、彼と二人きりの時ばかりは、この力に感謝するのです。伏せる

【夜が落ちてきた】
夜が落ちてきた。結構な音だった。窓から身を乗り出し、屋根の上を窺う。メアリ・ポピンズの真似でもしたらしい夜が、頭をかいて謝った。謝るなら二度と蝙蝠傘で飛ばないでほしい。太陽がちらり顔を出す。夜は慌てて傘を広げ「また今夜」と飛んでいく。僕は大きなため息をつき、二度寝と洒落込んだ。伏せる

【月のささめき】
昼間は陽気に歌う小鳥にも、眠れぬ夜があります。梟のような夜起きる鳥もおりますからね。そんなときは星や月のささめきに耳を傾けるのです。月の穏やかな低い声、星の楽しげな高い声。そんなささめきを聞いているうちに、不安もかき消え、よく眠れるそうです。眠れぬ夜は、あなたも試すといいですよ。伏せる

【機械人形の屍】
機械人形(アンドロイド)の屍が、バス停前に打ち棄てられていました。小学生だった私は周りを見回し、誰もいないのを確認すると、陶器のような白い顔にそろりと手を伸ばしました。思った通り、陶器のごとき感触と冷たさです。私はこのとき、人類が減り滅んでいく理由がわかったような気がしました。伏せる

【朝ぼらけ、枯れゆく花だけが】
朝ぼらけ、寄る辺なく彷徨う旅人がその命を終えようとしておりました。彼の人を看取る者は誰もおりません。ただ、そこに咲く枯れゆく花だけが彼の人を見ておりました。うなだれた頭で、見ておりました。彼の人の命が儚く散りゆくそのとき、枯れゆく花もまた、はらりと花弁を散らしました。伏せる
【もういないきみを想うように死を想うよ】
周りの『死』が見える少年が何とかしたいと思いつつ何もできず結果『死』を受け入れる話。そのうち掌編にしたい。

 昔から『死』が見えていた。初めて見たのは祖母の『死』で、認知したのは犬の『死』、防ごうとして防げなかったのは親友の『死』で、無力感に泣いたのは病床に伏した祖父の『死』。そして今、僕は膝の上で震える『死』を撫でている。『死』はいつも泣いている。この泣き虫を、僕はついぞ憎めなかった。伏せる
前にもそもそ言ってた 『裏バイト:逃亡禁止』の #ソロジャーナル 作り直したから一旦ここに投げるぞぅ。

# 概要
漫画『裏バイト:逃亡禁止』の非公式二次創作シナリオ

# 用意する物
d6×2個
電卓(暗算でもいい)
記録するもの(なくてもいい)

# 用意するキャラ
## プレイヤー
ヤバいバイトにアルバイターを派遣する人。
成功報酬の1割をもらうことができる。
派遣したアルバイターが3回連続で失敗すると派遣依頼がもらえず倒産します。
そのときはあなたもヤババイトに応募しなきゃいけなくなるかも?

## アルバイター
アルバイターにはK、B、S、Tという4つのステータスがあります。詳細は次の項目『ステータス』をご参照ください。
ステータスとアルバイターそれぞれの名前を決めて、アルバイトへ送り出してください。
何回も決めるのは面倒だと思うので、6パターンのステータスと36通りの名前を用意しました。いいようにお使いください。
* 注意 *
アルバイターは基本、使い捨てです。彼らが死のうと誰も不利益を被りませんし顧みもしません。でも何度も生き残れるようなアルバイターは大事にするといいかもしれません。

## ステータス
K…危機察知
危険を察知する力。それは第六感かもしれないし、豊富な経験かもしれない。もしくは、特殊な力かも。
B…暴力
すべてを解決する、己が肉体が持つ力。もしくは、それを行使するのを躊躇わない精神力。
S…推測
状況から身を守る方法を推測する力。コミュニケーションの賜物かもしれないし、観察力や知識があってこそかもしれない。
T…逃走
仕事も報酬も放り出して己の命を優先する力。生き延びるという固い意志、胆力と呼べるかもしれない。

### 危機察知特化型
K4
B1
S2
T3
### 逃走特化型
K1
B3
S2
T4
### 暴力特化型
K2
B4
S1
T3
### 推測特化型
K3
B2
S4
T1
### 器用貧乏逃走型
K3
B2
S2
T3
### 器用貧乏解決型
K2
B3
S3
T2
### 自作する場合
各ステータスの合計値は10になるよう設定してください。
また、ステータスはどれも最低1以上になるようにしてください。

## アルバイターの名前
d66で決める
11.増田
12.柴田
13.松田
14.中野
15.西村
16.坂本
21.青木
22.村上
23.岡田
24.辻井
25.山口
26.松本
31.井上
32.木村
33.小川
34.中島
35.阿部
36.池田
41.橋本
42.宮永
43.山崎
44.清水
45.三輪
46.沢田
51.佐藤
52.高橋
53.渡辺
54.鈴木
55.田中
56.伊藤
61.山本
62.中村
63.小林
64.神崎
65.吉田
66.山田

# 派遣依頼が来た
## 派遣する人数
1.一人
2.二人
3.三人
4.一~二人
5.一~三人
6.あなた自身

## 派遣先
1.飲食関係
2.運送関係
3.イベント関係
4.清掃関係
5.販売関係
6.探偵助手

## アルバイター報酬
1.時給5万
2.時給10万
3.日給15万
4.日給100万
5.成功報酬300万
6.成功報酬500万

## 派遣日数
1.一日
2.二日間
3.三日間
4.五日間
5.一週間
6.一ヶ月

## 報酬が高い原因
1.人間の狂気
2.人間の狂気+怪異
3.怪異
4.上位存在
5.高次元存在
6.報酬の設定ミス

# 派遣
1ターンを1日とする。
1日の流れは
1.危険察知判定
2.危険回避判定
3.逃走判定
の順番に行う。

## 危険察知判定
報酬が高い原因が1~6のどれであろうと、その日の危険を察知するのに使用するステータスはKのみ。
1d6を振って、ステータスK以下が出れば察知に成功する。
アルバイターが二人以上の場合は以下のどちらかのパターンでダイスを振って判定する。

### 一人のステータスを使用
Kの値が一番高いアルバイターのステータスを指定し、1d6を振る。
その者のステータス以下が出れば察知に成功する。

### 全員のステータスを使用
全員のK値を合計する。
人数d6を振る
ステータスの合計値以下の目が出れば察知成功とする。

## 危険回避判定
報酬が高い原因によって使用するステータスが異なる。
判定の仕方は危険察知を参照。

### 人間の狂気
ステータスKとBを使用。

### 人間の狂気+怪異
ステータスBとSを使用。

### 怪異
ステータスKとSを使用。

### 上位存在
ステータスKとTを使用。

### 高次元存在
ステータスSとTを使用。

### 報酬の設定ミス
ステータスKを使用。

## 逃走判定
危険察知、危険回避のどちらかで失敗した場合、逃走判定を行う。
判定にはステータスTを使用する。
失敗した場合、アルバイターは命を落とし帰ってこない。そのため、報酬はない。
成功した場合、アルバイターは働いた分だけ報酬を得る。あなたはその一割を紹介料として受け取ることができる。
なお、時給・日給ではなく成功報酬だった場合、逃走に成功しても報酬は得られない。

# 終わり?
このゲームに終わりはない。あなたが破滅するまで、アルバイターの命と富を積み上げていく。
あなたは一体どれほどの財を築けるだろう?
ぜひ限界までチャレンジしてほしい。
あなた自身がアルバイターへ身を落とした時、彼らがどんな気持ちで仕事にあたったかを想像できますように。伏せる
#人外と人間#ソロジャーナル 、短いのが一本できたからひとまずここにセイヤッ
私はねぇほんとにねぇこういうのが好き。テストプレイはしたからあとは文章周りもうちょい直したら投稿しよう……。
【メモ】
・人外と人間の設定を書くターン追加
・その設定に合わせてプロンプト変えていいこと明記
・迎えたくないEDは変えてもいいこと明記

# 花摘む怪物
 いつかの昔、どこかの国の片隅に、人々から恐れられる怪物がいた。怪物は孤独だった。しかしとある縁から、人間の少女と心通わせ互いに思い合うようになった。
 怪物は彼女を自分のつがいにしたいと思っている。人も、獣も、思いを伝えるためには贈り物をするのが習わしだ。
 あなたは見たことがある。住まいである森の外、花咲き誇るその原っぱで、人の恋人たちが花を贈っている様を。
 あなたは聞いたことがある。花を喜ぶ恋人たちを見たあの子が、羨むように呟く声を。
 森と村の間にあるその原っぱは、見晴らしが良く、村からも森からもよく見える。森を出て花を探すあなたを見たら、人々は「自分たちの村へ来るのでは」と恐れるだろう。あなたを村へ近づけないため――あるいはあなたという脅威を葬るため――人々は毒矢を射ってくるはずだ。
 あなたはその危険を承知で、花を摘みに行くと決めた。すべてはあの子のため。己の孤独を癒やすため。
 それは、よく晴れた昼日中のことだった。

# ライセンス
Second Guess System by William Lentz is licensed under CC BY 4.0. To view a copy of this license, visit http://creativecommons.org/licenses/by/4...

この作品はSecond Guess System(https://gamenomicon.itch.io/second-guess...)を使用しています。Second Guess System SRDはWilliam Lentzの著作物であり、CC BY 4.0 Deed(http://creativecommons.org/licenses/by/4...)に基づいて公開されています。制作の際に、有志による日本語翻訳を参考にしました。

# 用意
d20、d6
記録・メモするもの

# 目的
あの子に求婚するための花束を五色の花で作る

# 遊び方
d20を振る
プロンプトを確認し、花の数を増減させる
花の数が5、五色の花すべて揃えられたら求婚EDへ
プレイ中、出目が被った場合は花の数ではなく『矢の数』を1増やす
『矢の数』=怪物が受けた矢の数
d6を振り、『矢の数』以上ならゲーム続行
『矢の数』未満の目が出る、あるいは『矢の数』が6を越えるとゲーム終了
死亡EDを迎える
d6になったのが20T以降の場合は帰還EDを迎える

## プロンプト
1.人間が仕掛けた罠にかかってしまった。抜け出すため暴れたら、持っていた花を散らしてしまった。 花-2
2.背の高い草花に紛れ、密やかに咲く白い花を見つけた。あの子の可憐さを思い出す色だ。 花+1
3.原っぱを流れる川の畔で一息入れる。あの子は村で何をしてるだろう?
4.そよぐ風に乗ってあの子の歌声が聞こえた気がする。立ち止まり、村にいるあの子を思う。
5.花を無事に持ち帰りたくて、知らず力んでいたらしい。花を潰してしまった。 花-1
6.堂々と咲き誇る赤い花を見つけた。はにかんだあの子の頬を思い出す色だ。 花+1
7.人に追われ、矢を射られ、身を隠すため森へ飛び込んだ。なぜ人間はここまで怪物を嫌うのか。なぜあの子は、あなたを慕うのか。
8.日差しが暖かい。寝そべれば昼寝ができそうだ。しかしあなたが怪物である限り、夢の中でしか実行できないだろう。
9.人間に見つかった。大声で仲間を呼んでいる。逃げる際、花を落としてしまった。 花-1
10.楚々と咲く青い花を見つけた。楽しげに笑うあの子の涼やかな声を思い出す色だ。 花+1
11.人間の声が聞こえる。あなたが森から出てきたことを警戒しているようだ。
12.あなたを心配した小鳥たちが、森から数羽やってきた。心配ないと言い聞かせ、あの子の様子を見てくるよう頼んだ。
13.ちょこまかと野を走る小さな鼠に、気づかぬうちに花を盗まれていた。自分たちの巣に使うのだろう。 花-1
14.日の光を受け誇らしげに咲く黄色い花を見つけた。おずおずとあなたに触れたあの子の手の温度を思い出す色だ。 花+1
15.茂みから人々の様子を伺う。「化ケ物メ、今日コソ退治シテヤル」「アノ子ヲ誑カシヤガッテ」人の言葉は難しい。あの子の言葉はわかるのに。
16.川の水で喉を癒やす。水面に映るあなたは当然人ならざる姿だ。あなたはなぜだか悲しくなった。
17.槍で刺された。痛みに反撃したら、血を浴びてしまった。花にも血がついている。これではあの子に渡せない。 花-1
18.日陰で幽艶に咲く紫の花を見つけた。時折あの子が見せる寂しげな眼差しを思い出す色だ。 花+1
19.ナイフを持った人間があなたに襲いかかってきた。敵うわけもないのに。花が汚れなかったことだけが幸いだ。
20.色とりどりの花々が咲いている。足りない色の花を持ち帰れそうだ。 花+2

## ED
### 求婚ED
 五色の花を持ち帰ったあなたは、不器用ながらも無事に花束を作ることができた。あの子は気に入ってくれるだろうか。そもそも、受け取ってくれるだろうか。
 そわそわしていると、あの子が息を切らしてやってきた。
 あなたはあの子に花束を差し出した。そして、あなたはあの子に求婚した。
 さて、あなたはあの子に、何と求婚しただろう?
 あの子はあなたの求婚を受け入れただろうか?
 あなたたちがつがいになれたとして、あなたたちはそのまま森に住むだろうか? それとも、遠くのどこかへ引っ越してしまう?
ここから先はあなたの想像のままだ。
難しい、もしくはランダム性がほしい場合は、以下の表を使うといいかもしれない。
#### 求婚
1/2 恥じらいながら
3/4 堂々と
5/6 自信を失いながら
#### 可否
1 喜び受け入れる
2 何やら考え込んでから受け入れる
3 物憂げに受け入れる
4 喜んだものの、受け入れなかった
5 考えた末、断った
6 泣きながら断った
#### 住まい
1/2 この森の中
3/4 遠くへ旅立つ
5/6 あえて村のそば

### 死亡ED
 毒が回り、あなたは地面に倒れ伏した。遠くに人が話す声、金物が触れあう音が聞こえる。
 ひゅ、と風を切る音が聞こえた。ど、と体に硬い物が突き刺さる。痛みはない。氷のような冷たさがあるだけだ。
 とっ、とっ、とっ、と何本もの矢が突き立つ。あなたは地面に転がったまま、それを受け入れた。
 いくつもの足音が近づいてくる。人の声が近づいてくる。けれどそれは、あなたの耳に届かない。
 遠く、遠くに、あの子が泣いている声がした。あなたはあの子の声に耳を傾け、霞む目を閉じた。

### 帰還ED
 やがて毒が回るだろう。花束を作るにも花は足りない。ただでさえ足りない花が、力の抜けていく体のせいでぽとりぽとり落ちていく。
 それでもあなたは、言うことを聞かない体を引きずり、森へ戻った。あの子と約束した場所へ、足を動かした。
 あの子は森で待っていた。あなたの帰りを待っていた。
 花はもう、一輪しか手元にない。それをあなたは差し出した。
 あなたはあの子に求婚した。あの子は何と返事をしたのだろう? 確かめる術はない。 あなたの耳はもう何の音も拾えないし、あなたの目は何も映さない。
 晴れているのに、ぽたりぽたりと雨粒があなたを濡らした――ような、気がした。伏せる
#ソロジャーナル 、「こんな感じ?」とひとまず作ってみたヤーツ。ここから整えていけたらいいな。

# 猫を演奏する
あなたの楽器が猫になった話

# 記録以外の必要道具
トランプもしくは6面ダイス

# キャラ作成
ご自由に

# 楽器選択
実際に持っている楽器
もしくは以下
♡ピアノ
♢リュート
♧オカリナ
♤ハープ
絵札 好きな楽器
## ダイス使用時
上から1,2,3,4
絵札は5と6
ここから先も共通

# 外見
猫の外見を自由に決める
## 決められない・ランダムさが欲しいときは以下
♡白黒
♢三毛
♧スモークタビー
♤虎柄
絵柄 錆茶

# 楽器の性格は?
自由記入
もしくは以下
♡甘えん坊
♢ツンデレ
♧臆病
♤独立心旺盛

# なぜ猫に?
♡喜んでるから
♢楽しんでるから
♧悲しんでるから
♤怒ってるから

# 最近楽器に触れてた?
♡触れてた
♢触れたいけど触れてなかった
♧触れたくないけど触れてた
♤見ることすらしてなかった

# その理由は?
自由記入

# 楽器は演奏されたがってる
♡思い出の曲を奏でる
♢流行の曲を奏でる
♧初めて奏でた曲を奏でる
♤苦手な曲を奏でる

# 満足?
♡両者満足
♢楽器は満足
♧あなたは満足
♤両者不満足

# 楽器は元に戻る?
♡戻らず飼い猫になった
♢元に戻ったけどたまに猫の声が出る
♧楽器に戻った
♤楽器に戻らず逃げだした

# またね
また猫と……おっと間違えた。あなたの楽器と遊んでね。
伏せる
選択肢

「ポッキーゲームをしなきゃ死ぬ部屋にこ〜んな可愛い女の子と閉じ込められるなんて幸運ですね、先輩!」
「デス・オア・ダイじゃん」
「どっちを選んでも死……ですって……!?」

#会話劇