あんまりにも筆が進まないから140字小説にチャレンジしてたもの。未だに筆は進みません。何で? 【太陽の子】 伏せ真夜中の砂浜に太陽の子が落ちたようです。虫たちが「迷子になった太陽の子が泣いてるよ」とささめくので見に行くと、確かに太陽の子が、真昼の輝きを放って膝を抱えています月が不満そうなので、私は膝をつき声をかけました。「朝までうちに来る?」こうして太陽の子は、うちに住み着いたのです。伏せる 【鮮やかな沈黙】 伏せ私は人の心が読めます。百害あって一利なしの力ですが、彼と二人きりの時は違います。彼の思考は、例えるならば油絵。思考というキャンバスを感情という色彩が彩り、いつだって彼の心は色鮮やか。聞きたくも見たくもないものばかり見る力ですが、彼と二人きりの時ばかりは、この力に感謝するのです。伏せる 【夜が落ちてきた】 伏せ夜が落ちてきた。結構な音だった。窓から身を乗り出し、屋根の上を窺う。メアリ・ポピンズの真似でもしたらしい夜が、頭をかいて謝った。謝るなら二度と蝙蝠傘で飛ばないでほしい。太陽がちらり顔を出す。夜は慌てて傘を広げ「また今夜」と飛んでいく。僕は大きなため息をつき、二度寝と洒落込んだ。伏せる 【月のささめき】 伏せ昼間は陽気に歌う小鳥にも、眠れぬ夜があります。梟のような夜起きる鳥もおりますからね。そんなときは星や月のささめきに耳を傾けるのです。月の穏やかな低い声、星の楽しげな高い声。そんなささめきを聞いているうちに、不安もかき消え、よく眠れるそうです。眠れぬ夜は、あなたも試すといいですよ。伏せる 【機械人形の屍】 伏せ機械人形(アンドロイド)の屍が、バス停前に打ち棄てられていました。小学生だった私は周りを見回し、誰もいないのを確認すると、陶器のような白い顔にそろりと手を伸ばしました。思った通り、陶器のごとき感触と冷たさです。私はこのとき、人類が減り滅んでいく理由がわかったような気がしました。伏せる 【朝ぼらけ、枯れゆく花だけが】 伏せ朝ぼらけ、寄る辺なく彷徨う旅人がその命を終えようとしておりました。彼の人を看取る者は誰もおりません。ただ、そこに咲く枯れゆく花だけが彼の人を見ておりました。うなだれた頭で、見ておりました。彼の人の命が儚く散りゆくそのとき、枯れゆく花もまた、はらりと花弁を散らしました。伏せる 短い話 2024/11/11(Mon)20:10:57
【太陽の子】
真夜中の砂浜に太陽の子が落ちたようです。虫たちが「迷子になった太陽の子が泣いてるよ」とささめくので見に行くと、確かに太陽の子が、真昼の輝きを放って膝を抱えています月が不満そうなので、私は膝をつき声をかけました。「朝までうちに来る?」こうして太陽の子は、うちに住み着いたのです。伏せる
【鮮やかな沈黙】
私は人の心が読めます。百害あって一利なしの力ですが、彼と二人きりの時は違います。彼の思考は、例えるならば油絵。思考というキャンバスを感情という色彩が彩り、いつだって彼の心は色鮮やか。聞きたくも見たくもないものばかり見る力ですが、彼と二人きりの時ばかりは、この力に感謝するのです。伏せる
【夜が落ちてきた】
夜が落ちてきた。結構な音だった。窓から身を乗り出し、屋根の上を窺う。メアリ・ポピンズの真似でもしたらしい夜が、頭をかいて謝った。謝るなら二度と蝙蝠傘で飛ばないでほしい。太陽がちらり顔を出す。夜は慌てて傘を広げ「また今夜」と飛んでいく。僕は大きなため息をつき、二度寝と洒落込んだ。伏せる
【月のささめき】
昼間は陽気に歌う小鳥にも、眠れぬ夜があります。梟のような夜起きる鳥もおりますからね。そんなときは星や月のささめきに耳を傾けるのです。月の穏やかな低い声、星の楽しげな高い声。そんなささめきを聞いているうちに、不安もかき消え、よく眠れるそうです。眠れぬ夜は、あなたも試すといいですよ。伏せる
【機械人形の屍】
機械人形の屍が、バス停前に打ち棄てられていました。小学生だった私は周りを見回し、誰もいないのを確認すると、陶器のような白い顔にそろりと手を伸ばしました。思った通り、陶器のごとき感触と冷たさです。私はこのとき、人類が減り滅んでいく理由がわかったような気がしました。伏せる
【朝ぼらけ、枯れゆく花だけが】
朝ぼらけ、寄る辺なく彷徨う旅人がその命を終えようとしておりました。彼の人を看取る者は誰もおりません。ただ、そこに咲く枯れゆく花だけが彼の人を見ておりました。うなだれた頭で、見ておりました。彼の人の命が儚く散りゆくそのとき、枯れゆく花もまた、はらりと花弁を散らしました。伏せる