雲晴夏木の独り言

#人外と人間 で100日かけて100本の掌編を書こう企画 12日目。

Day.12. 星屑

 ある夜のこと。自室の窓を開けたら、星屑が飛び込んできた。星ではなく星屑と称したのは、本当に小さな星々だったから。
 その星屑たちは、まるで仔犬のように私のウエスト辺りでくるくる回った。甲高く小さな声が、私の名を呼ぶ。
「ミーナ、ミーナ」
「可愛いねぇ、ミーナ」
「連れてっちゃいたいねぇ」
「連れてっちゃおうか」
「連れてっちゃおうよ」
「そうしよう」
 え、と思う間もなく、私の体は宙に浮いた。星屑は私の周りをくるくる回るまま、私を窓の外へ連れて行く。
「れ、」
 レオ、と言い切る前に、レオの白い手袋をはめた手が私の手を掴んでいた。
「ミーナを連れていくなら、お前たちを星屑と呼べないほどに砕くぞ」
 レオの低い唸り声は、私すら身震いするほど恐ろしかった。それは星屑たちも同じだったようで、くるりくるりと回りながら、私のウエスト周辺から首周辺、そしてつむじの上へと移動し、夜空へ帰って行った。
 私を窓の中へ戻さず、宙に浮かせたままで。
 星屑たちの不思議な力を失い、私の体はそのまま外へ落ちていくかと思われた。けれどレオがいる限り、そうはならない。
 レオは窓から飛び出して、私を抱え宙に浮いた。そのまま横抱きで抱えられ、部屋の中に戻る。
「危なかったね、ミーナ」
「助けてくれてありがとう」
「きみを守るためにそばにいるんだ、当然さ」
 おやすみと低く囁き、レオは私をベッドへ運んだ。毛布を被せられ、私は一先ず目を閉じ眠ったふりをした。けれど実のところ、眠れはしなかった。
 レオに触れられた手が、背中が、じんわりと熱い。心臓が声高にときめきを訴えていて、まだまだ眠れそうになかった。伏せる