雲晴夏木の独り言

【可哀想なおばさま】


可哀想なおばさま
すべてを手に入れた美貌は面影もなく
かつて身を焦がした愛は冷め
可愛がっていた燕にも逃げられて
今は冷たい土の下
庭師が世話する薔薇たちの養分と成り下がった
屋敷を統べるのは
愛を手に入れたのは
燕をそそのかしたのは
わたし
あなたのたった一人の姪の
わたし
可哀想なおばさま
たった一人のおばさま
せめて最期まで
墓守だけはしてあげるわね伏せる

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