お花さんって、どうして咲いたら寝ないんだろう? だれも見てないのに、夜だってせなかをのばして咲いてるの。 ふしぎだなって思って、お花さんに聞いてみた。お花さんはくすくす笑って教えてくれた。
「眠れないのよ」「眠ったら意地悪されるもの」「眠ると自分が一番可愛いと思ってる子に毟られちゃうの」「ちぎられちゃうの」「手折られちゃうの」
ふぅん、とわたしはうなずいた。お花さんがそう言うんだから、きっとそう。
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何日かして、わたしはお花さんたちのいるところに行ってみた。 お花さんは、手折られちぎられ踏みつけられてた。 お花さんは、毟られ捨てられて虫に集られていた。 お花さんは、醜く萎れて項垂れていた。
「きれいって、かわいそね」
わたしはぽつんと呟いて、汚くなった残骸を踏みつけ歩き去った。