怪物の夢を見た

 怪物の夢を見た。それは恐ろしい姿だった。皮膚が爛れて顔が溶け落ち、地鳴りのような声で唸っていた。暗くてジメジメした場所で蹲っていた。怪物の皮膚が爛れるのは、顔が溶けるのは、自分の体から滲み出る毒のせいだ。唸るのは、体が溶ける痛みのせいだ。夢の中の私はそれを知っていた。だけど何にもしてやれない。  怪物のそばに跪き、滲む毒を拭ってやるしかできない。拭いながら謝った。私が何をした訳でもないし、謝ったところで怪物の痛みは癒えない。  私の目から溢れた涙が、怪物の爛れた皮膚に落ちた。涙に奇跡は宿らず、皮膚を湿らせただけだった。痛むのか、怪物の目からも涙が落ちた。  落ちた涙は地面を溶かし、嫌なにおいが立ち込めた。