拝啓、おじちゃま。~書斎と四季のポスト~
ライセンス表記表記
This work is based on the 4D4S system (found at https://rcdavey.itch.io/4d4s-srd), from Raymond Davey, and licensed for use under the Creative Commons Attribution 4.0 Unported license http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/.
規約
遊ぶ前に必ず利用規約に目を通してください。遊んだ時点で規約に同意したものと見なします。
はじめに
これは、 ある一人の 【ちびっ子】 と、 近所に住む 【小説家のおじちゃま】 の、 一年にわたる交流を記録する一人用ゲームです。
あなたは近所に越してきた小説家のおじいさんに興味を持ち、 手紙を書いたり、 書斎に入り浸ったりして四季を過ごします。しかし、 別れの時は必ずやってきます。
トランプをめくりながら、 二人の間に流れる時間と、 小さな思い出を書き残してください。
必要なもの
- トランプ 1 組 : ジョーカーを 1 枚だけ残し、 他のジョーカーは抜いてください。
- 筆記用具とノート : 日記を書くために使います。
- 小さな紙切れ (複数) : 実際に 「ハガキ」 や 「メモ」 を書くために使います。裏紙やインデックスカードで構いません。
ゲームの準備(セットアップ)
- トランプをスート (マーク) ごとに分けます。
- それぞれの山をよく切り、 各スートから 4 枚ずつを引いて、 裏向きのまま横一列に並べます。
- 以下の順番で、 上から 4 行の列を作ります。
- 1 行目 : ハート (♥) …… 春の物語
- 2 行目 : ダイヤ (♦) …… 夏の物語
- 3 行目 : クラブ (♣) …… 秋の物語
- 4 行目 : スペード (♠) …… 冬の物語
- 最後に、 ジョーカー 1 枚を裏向きのまま、 一番下の離れた場所に置きます (エピローグ用)。
- 余ったカードは使いません。箱にしまってください。
遊び方
- ハート (春) の左端のカードをめくります。
- 出たカードの数字に対応する 「プロンプト (お題)」 を、 プロンプト一覧から探して読みます。
- その出来事について、 主人公 (あなた) の視点で日記や記録を書きます。
- 書き終えたら、 右隣のカードをめくり、 同じように進めます。
- その行 (季節) の 4 枚がすべて終わったら、 少し休憩して季節の移ろいを感じてから、 次の行 (夏、 秋……) へ進んでください。
特別ルール:【ハガキ】
プロンプトの中に 【ハガキ】 という指示があった場合、 日記に書くのではなく、 用意した 【小さな紙切れ】 に、 実際にメッセージを書いてください。子供のような字で、 絵を描いたり、 汚い字で殴り書きをしたりしてください。書いた紙は、 あなたの手元に残る 「おじちゃまへの手紙」 の実物となります。
プロンプト一覧
♥ ハート:春(出会いと、好奇心の侵略)
桜が舞い、 変な大人が隣に越してきました。距離感がおかしい子供 (あなた) の特攻が始まります。
- A : 隣の空き家にトラックが止まった。大量の本の束と、 難しそうな顔をした大人が立っている。これが 「おじちゃま」 との最初の遭遇。第一印象は? (怖い? 熊みたい? 魔法使い?)
- 2 : 【ハガキ】 あなたは勇気を出して、 最初の 「手紙」 を彼の家のポストに入れた。なんて書いた? (「だれ?」 それとも絵だけ?)
- 3 : 庭にボール (またはおもちゃ) が入ってしまった。こっそり取りに行くと、 縁側で彼がため息をついていた。彼はあなたに気づいて何と言った?
- 4 : 彼が近所で迷子 (あるいはゴミ出しに困惑) になっていた。あなたは 「教えてあげる!」 と案内した。彼は少し驚いて、 不器用にお礼を言った。
- 5 : 窓越しに彼の仕事部屋が見えた。見たことのない道具 (万年筆やパイプ、 ルーペなど) が並んでいる。あなたは窓ガラスに鼻を押し付けて凝視した。彼と目が合った時、 どうなった?
- 6 : 【ハガキ】 学校で習ったばかりの字で、 彼に質問状を送ることにした。「なにをしているひとですか?」 「おかしはすきですか?」
- 7 : 雨の日。彼が傘も差さずに庭の紫陽花をじっと見ていた。あなたは自分の派手な色の子供用傘に入れてあげようとした。彼は入ってくれた?
- 8 : ポストに返事が入っていた! 達筆すぎて読めないけど、 どうやら丁寧な挨拶状だ。同封されていた 「お近づきの印」 は何だった? (高級な飴? 珍しい切手?)
- 9 : あなたは彼に勝手な 「あだ名」 をつけた。本人の前でそれを呼んでみた。彼はどんな顔をした? (訂正しようとした? 諦めた?)
- 10 : 彼の家の前で転んで怪我をした。彼は慌てて出てきて、 絆創膏を貼ってくれた。その手は大きかった? 温かかった?
- J : 「仕事の邪魔だ」 と言われながらも、 あなたは庭で遊ぶのをやめない。彼が根負けして、 ジュースを持って出てきてくれた。二人で何を話した?
- Q : 彼はあなたの親とも挨拶を済ませたようだ。「面白い先生ね」 と親は言うけれど、 あなたにとって彼は 「先生」 じゃなくて……何?
- K : ついに 「書斎」 への入室許可が下りた! 「触るなよ」 と言われて通された部屋は、 インクと古本の匂いがした。その部屋の光景を見て、 あなたは思わず何と叫んだ?
♦ ダイヤ:夏(書斎の冒険と、深まる絆)
日差しと冒険。彼の書斎はあなたの秘密基地になり、 二人の時間は永遠に続くと思われました。
- A : 暑い日。彼の家に入るとクーラーが効いていて天国だ。あなたは勝手にソファを占領した。彼は文句を言いながら冷たい麦茶を出してくれた。
- 2 : 【ハガキ】 暑中見舞い! スイカの汁がついた手紙をポストにねじ込んだ。「おじちゃまのいえで、 アイスたべたい」
- 3 : おじちゃまがトイレに立った隙に、 あの立派な革張りの社長椅子によじ登った。足は床につかない。思いっきり回ってみた! 目が回る! ……戻ってきた彼はそれを見て何と言った?
- 4 : 夏休みの宿題を彼の大きな机の隅っこでやらせてもらう。彼が仕事をしているペンの音 (カリカリ……) だけが響く。心地よい沈黙。
- 5 : 夕立と雷! 怖くてあなたが耳を塞いでいると、 彼は 「雷様におへそを取られるぞ」 なんて子供っぽい冗談を言った、 あるいは無言でラジオの音量を上げてくれた。
- 6 : 【ハガキ】 海や山へ行った自慢話の絵日記ハガキ。彼に見せるために一番うまく描いたつもりだけど、 彼は 「これは……カエルか?」 と言った (本当はあなたを描いたのに!)。
- 7 : 彼の書き損じの原稿用紙をもらった。裏側にお絵かきをする。彼は 「それが一番価値のある使い方かもな」 と自嘲気味に笑った。
- 8 : 昼寝の時間。扇風機の音。気づくとあなたはおじちゃまの膝や肩に寄りかかって寝てしまっていた。起きた時、 何か掛けられていた?
- 9 : 夜、 花火大会の音が聞こえる。書斎の窓から二人で遠くの花火を見た。「きれいだね」 と言うと、 彼は夜空を見ながら誰かのことを思い出しているようだった。
- 10 : 彼の 「宝物」 を見せてもらった。昔書いた本? 家族の写真? それとも誰かからの手紙? 彼はそれを少し寂しそうに、 でも誇らしげに語った。
- J : あなたは彼の手伝いをした (肩たたき、 郵便物の整理、 猫探し)。彼は駄賃として、 500 円玉ではなく 「物語」 を一つ話してくれた。どんな話?
- Q : 彼のメガネをかけさせてもらった。度数が強すぎてクラクラする。「おじちゃまの世界はこんなに歪んでるの?」 と聞くと、 彼は笑って何と答えた?
- K : 夏の終わり。宿題が終わらない! 彼は 「手伝わないぞ」 と言いつつ、 読書感想文の書き方 (あるいは誤字脱字のチェック) を深夜まで付き合ってくれた。大人の本気を見た。
♣ クラブ:秋(翳りと、大人の事情)
日が短くなり、 夕焼けが赤く染まります。電話のベル、 咳の音、 少しずつ 「終わり」 の予感が漂います。
- A : 彼の家に電話が頻繁にかかってくるようになった。受話器を持つ彼の声は、 あなたと話す時よりずっと低くて、 真剣だ。「娘」 や 「今後のこと」 という言葉が聞こえた。
- 2 : 【ハガキ】 運動会のお知らせ。でも 「来なくていいよ」 と書いた。本当は来てほしいけど、 彼は忙しそうだから。
- 3 : 彼の具合が悪そうだ。咳をしている。いつもの意地悪な軽口も少ない。あなたは心配になって、 部屋のドアの前に何かを置いて帰った。何を置いた?
- 4 : 散歩の途中、 彼が遠くの空を見上げて立ち止まっていた。その背中が、 出会った時より少し小さく見えた。声をかけられなかったのはなぜ?
- 5 : 遊びに行くと 「今日は帰ってくれ」 と強い口調で拒絶された。机の上は散らかっていた。あなたはショックを受けて走って帰った。
- 6 : 【ハガキ】 仲直りの仕方がわからない。「ごめんなさい」 とだけ書いた紙を、 夜中にこっそりポストに入れた。
- 7 : 数日後、 ポストに彼からの返事があった。封筒に入った、 秋の味覚 (栗や柿) あるいは綺麗な落ち葉のしおり。「またおいで」 という文字。
- 8 : 夕暮れの書斎。彼はふと、 離れて暮らす家族の話をしてくれた。「私にも、 お前くらいの孫がいてもおかしくないんだがな」。彼はあなたを誰と重ねていた?
- 9 : あなたは 「将来、 おじちゃまみたいになりたい」 と言った。彼は嬉しそうにするどころか、 少し悲しい顔で 「私みたいになっちゃいけないよ」 と言った。なぜ?
- 10 : 彼が何かを整理し始めている。本棚の本が少し減った気がする。「大掃除?」 と聞くと、 彼は曖昧に 「まあ、 そんなところだ」 と答えた。
- J : 焼き芋 (またはおやつ) を半分こした。「美味しいね」 と笑う彼の顔を、 忘れないようにじっと見た。なんとなく、 今の時間を閉じ込めたいと思った。
- Q : 彼は書きかけだった長い物語を、 ついに書き上げたようだ。「お前のおかげだ」 と、 原稿の束をポンと叩いた。
- K : 木枯らしが吹く日。彼はあなたを正面から見て言った。「冬になったら、 私はここを出ていくことになった」。その言葉を聞いた瞬間、 あなたの世界から色が消えた。
♠ スペード:冬(別れと、永遠の記録)
段ボール箱、 白い息、 空っぽになっていく部屋。さようならの時間がやってきます。
- A : 書斎に段ボール箱が積み上がっていく。あの回転椅子もビニールに包まれてしまった。もう回せない。部屋の中は広くて、 寒い。
- 2 : 【ハガキ】 「いかないで」 と書こうとして、 やめた。ぐしゃぐしゃに塗りつぶした黒い塊のようなハガキを、 ポストではなくゴミ箱に捨てた。
- 3 : 彼は荷造りをしながら、 あなたに何かをくれた。「これ、 お前にやるよ」。それは彼が大切にしていた仕事道具 (万年筆や文鎮、 辞書など)。
- 4 : 雪が降った。庭の景色も真っ白だ。彼は庭に出て、 ここでの一年を惜しむように雪を踏みしめていた。
- 5 : もう部屋には何もない。ストーブの前だけが温かい場所だ。二人でココア (または温かい飲み物) を飲んだ。言葉は少なかった。
- 6 : 【ハガキ】 これが最後の手紙。ポストに入れる最後の一枚。「おじちゃまへ。ありがとう。げんきでね」。涙で紙がふやけてしまった。
- 7 : 知らない女性 (娘さん) がやってきた。優しそうな人だ。彼女はあなたを見て 「父がいつも手紙で書いていたわ。仲良くしてくれてありがとうね」 と言った。おじちゃまはバツが悪そうに顔を背けた。
- 8 : 家の前に大きなトラックが止まる。春に見た光景と同じなのに、 今はとても悲しい光景に見える。荷物が運び出されていく。
- 9 : 空っぽになった書斎に、 最後に入らせてもらった。インクの匂いはもう薄れている。自分の声が響く。ここはもう、 二人の秘密基地じゃない。
- 10 : 彼は玄関の鍵を閉めた。その鍵を娘さんに渡す。カチャリという音が、 終わりの合図のように聞こえた。
- J : 彼はあなたの目線に合わせてしゃがみ込んだ。そして、 あなたの頭を大きな手で撫でてくれた。「お前と過ごした一年は、 私の傑作だったよ」 あるいは、 もっと不器用な一言。なんと言った?
- Q : 車に乗り込む彼。窓が開く。あなたは走り出した。精一杯の大きな声で、 彼になんと叫んだ?
- K : 車が見えなくなるまで見送った。冬の空は高く、 澄んでいる。あなたはポケットの中の 「彼から貰ったもの (♠3)」 を握りしめた。泣いた? それとも笑って見送った?
ジョーカー:エピローグ
【数年後、 大人になったあなたへ】
あなたは成長しました。かつて 「おじちゃま」 が住んでいた家の前を通ります。今はもう別の誰かが住んでいるかもしれません。でも、 ポストを見るたびに、 あの四季の日々を思い出します。
今、 手元に一枚のハガキがあります。天国にいる (あるいは遠く離れた) 彼に、 大人になった今の字で手紙を書くとしたら。最後の一枚を書いて、 このゲームを終えてください。
「拝啓、 おじちゃま。私は今、 」