薔薇と渇き
クレジット
This game is based on the Woven SRD (https://zeruhur.itch.io/woven-srd) by Roberto Bisceglie, used under the CC BY 4.0 license.
規約
遊ぶ前に必ず利用規約に目を通してください。遊んだ時点で規約に同意したものと見なします。
イントロダクション
あなたは数百年の時を生きる吸血鬼です。
そしてあなたの城には、 一人の人間が暮らしています。
最初はただの 「食料」 や 「暇つぶし」 だったはずのその人間に対し、 あなたはいつしか奇妙な感情を抱き始めました。
人間はあなたを信じています。
あなたは人間の血を吸いたいという 【渇き】 と、 人間を慈しみたいという 【愛情】 の狭間で揺れ動きます。
物語の結末を決めるのは、 あなたの理性と、 ダイスの目だけです。
必要なもの
- トランプ : 1 組 (ジョーカーを 1 枚含める)
- 6 面体ダイス : 数個
- トークン : 2 種類 (コイン、 おはじき、 メモ書きでも可)
- 【渇き】 トークン : 吸血衝動の強さ。
- 【愛情】 トークン : 人間への愛着。
- 日記帳 (またはテキストエディタ)
【キャラクター作成】
あなたは以下の 2 つの [タグ] を持っています。これをシートに書き写してください。
- [夜の眷属] : 日光に弱く、 血を摂取しなければ生きていけない。
- [孤独な城主] : 長い間、 他者を遠ざけて生きてきた。
初期トークン :
- 【渇き】 : 1 個
- 【愛情】 : 1 個
【ゲームの進め方】
山札からカードを 1 枚引き、 以下の手順を繰り返します。
1. イベントの描写
引いたカード (スートと数字) に対応する 【イベント表】 を見て、 日記を書きます。
吸血鬼であるあなたが、 人間の言動に対して 「どう感じたか」 「どう行動したか」 を書いてください。
2. 感情の更新(タグの書き換え)
日記を書いた結果、 人間に対する見方が変わったなら、 新しい [タグ] を書き足したり、 古いタグを消したりして構いません。
- 例 : [ただの餌] → [守るべき温もり]
3. 渇き判定(ダイスロール)
理性を保てるか、 運命の判定を行います。
ダイスプールを作る
- 基本 : 1 個
- 今の状況や気持ちに合う [タグ] があれば : +1 個
- 【愛情】 トークンを 1 つ消費して 「強い意志」 とする : +1 個
- 【制限】 カードが 「♠スペード」 の場合、 【愛情】 トークンの使用はできません。
- 【特例】 カードが 「♠スペードの A」 の場合、 上記の制限に加え、 さらにダイスを -1 個 します (最低 1 個)。
ダイスを振り、 一番高い出目を見る
- 【6】 成功 (理性の勝利)
- あなたは衝動を抑え込み、 優しく接した。
- 【愛情】 +1 個
- 【4-5】 葛藤 (耐える苦しみ)
- ギリギリで耐えたが、 喉が焼けるように渇く。あるいは冷たく突き放してしまった。
- 【渇き】 +1 個
- 【1-3】 失敗 (敗北)
- 本能に負けた。少しだけ血を啜ってしまったか、 相手をひどく怯えさせてしまった。
- 【渇き】 を 1 個にリセット (血を吸ったため)
- 【愛情】 を半分 (端数切り上げ) 失う
- [自己嫌悪] タグを獲得する。
- 【6】 成功 (理性の勝利)
4. エンディング判定
もし引いたカードがジョーカーだった場合、 ゲームは終了し 【クライマックス】 へ移行します (後述)。
【イベント表】
イベントを見て日記を書いた後、 あなたの心が変わったなら、 必ずタグを更新してください。
- ♥ ハート / ♦ ダイヤ の場合
- ポジティブ (+) なタグを 1 つ獲得する (例 : [守りたい笑顔] [癒やし])
- または、 ネガティブなタグを 1 つ削除する。
- ♣ クラブ / ♠ スペード の場合
- ネガティブ (-) なタグを 1 つ獲得する (例 : [所詮は餌] [埋まらぬ溝])
- または、 ポジティブなタグを 1 つ削除する。
♥ ハート:献身と体温
(タグ : +獲得 or -削除)
人間からの無償の愛、 あるいは抗いがたい 「生」 の輝きに触れる。
- A : 人間があなたの氷のような手に触れ、 両手で包み込む。「冷たいですね」 と無邪気に笑うその首筋に、 鮮烈な命の脈動を見てしまった。
- 2 : 人間が城の庭で摘んだ花をあなたに贈る。すぐに枯れてしまうその花を、 あなたはどう扱ったか?
- 3 : 人間があなたの服の綻びを縫っている。不老不死の王に 「世話焼き」 など不要だ。それなのに、 なぜ止めさせなかった?
- 4 : 人間が 「あなたの名前」 を呼ぶ。その響きは、 他の誰が呼ぶよりも甘く、 あるいは痛ましく響いた。
- 5 : 人間が無防備に居眠りをしている。あなたは本来なら捕食する好機だが、 その寝顔から目を離せずにいた。
- 6 : 人間があなたの髪や頬に触れようと手を伸ばす。あなたは避けたか? それとも、 その温かい掌に身を委ねたか?
- 7 : あなたがふと漏らした独り言を、 人間は覚えていた。彼/彼女があなたのために用意した、 ささやかなサプライズとは?
- 8 : 人間があなたのために下手な歌を歌う、 あるいは楽器を弾く。その拙い音色は、 静寂に慣れた城にどのような色彩を与えたか。
- 9 : 雷や悪夢に怯えた人間が、 あなたの部屋の扉を叩く。あなたは今夜、 孤独なベッドに 「体温」 を招き入れるか?
- 10 : 人間が 「あなたがいなくなったら寂しい」 と口にする。不死のあなたを置いて先に死ぬのは、 人間の方なのに。
- J : 人間が怪我の手当てをしてくれようとする (あなたには再生能力があるのに)。その必死な姿に、 胸の奥で何かが軋んだ。
- Q : 人間が笑顔を見せる。その笑顔が、 かつてあなたが人間だった頃に愛した誰かの笑顔と重なってしまった。
- K : 人間が直球の好意を告げる。「あなたと共にいたい」。それが地獄への道連れだと知りながら、 あなたはその手を取ったか?
♦ ダイヤ:記憶と魂
(タグ : +獲得 or -削除) 対話を通じて 「個」 としての人間を知る。あるいはあなたの 「過去」 が掘り起こされる。
- A : 人間が城の埃被った肖像画を見つける。「この美しい人は誰?」 と聞かれ、 あなたは 「私だ」 と答えたか、 それとも 「死んだ人だ」 と答えたか。
- 2 : 人間が書庫から古い本を持ってきて、 読み聞かせをねだる。それはあなたが数百年前に愛読していた物語だった。
- 3 : 人間があなたの 「人間だった頃」 の話を聞きたがる。あなたが語る思い出話は、 色褪せていたか? それとも鮮明だったか?
- 4 : 人間が城の宝物庫で、 時代遅れのガラクタ (遺物) に興味を持つ。あなたにとってはゴミでも、 彼/彼女には宝物に見えたようだ。
- 5 : 人間が、 あなたとは違う現代の価値観や知識を語る。そのズレが、 あなたに 「時の流れ」 と 「新鮮な驚き」 を同時にもたらす。
- 6 : 二人でチェスやカード遊び、 あるいは知的なゲームに興じる。人間が見せた賢さや機転に、 あなたは感嘆したか?
- 7 : 人間があなたの好きなもの (色、 場所、 習慣) を理解し始める。理解されることの喜びを、 どう噛み締めた?
- 8 : 人間が、 あなたがかつて犯した罪や過ちについて尋ねてくる。あなたは言い訳したか? 懺悔したか? 黙秘したか?
- 9 : 人間が、 城のどこかにある 「開かずの間」 に興味を持つ。そこには何が隠されている? あなたは鍵を渡したか?
- 10 : 人間があなたの孤独を見抜く。「ずっと一人で寂しくなかったの?」 その問いは、 あなたの心の鎧を貫いたか。
- J : 人間があなたのために、 自分の得意なこと (絵を描く、 踊る、 作る) を披露する。その魂の輝きは美しかったか。
- Q : 夜の散歩。月明かりの下で語り合う。人間は 「もし私が吸血鬼だったらよかったのに」 と言ったかもしれない。
- K : 人間があなたの 「怪物としての本性」 を一部目撃してもなお、 あなたを受け入れる発言をする。その赦しは、 あなたを救ったか?
♣ クラブ:断絶と鳥籠
(タグ : -獲得 or +削除)
埋まらぬ種族の溝。城という檻の閉塞感。人間はいずれ死ぬという冷たい現実。
- A : 人間が窓の外を物欲しげに見つめている。その背中は自由を求めている。ここは彼/彼女にとって 「家」 ではなく 「檻」 なのだと思い知らされる。
- 2 : 人間が食事をする姿を見る。生きるために他の命を貪る姿は、 あなたと同じだ。……いや、 本当にそうか? あなたは嫌悪感を抱いたか?
- 3 : 人間が風邪を引く、 あるいは老いを見せる。その脆弱さ。あっけなく壊れる命への苛立ち。
- 4 : 人間があなたの理解できないことで泣いている、 あるいは怒っている。数百年のジェネレーションギャップ。言葉が通じない焦燥感。
- 5 : 城の寒さ、 暗さ。人間にとっては過酷な環境だ。彼/彼女が震えているのを見て、 「ここは人間が住む場所ではない」 と痛感する。
- 6 : 人間が家族や友人の話をする。彼/彼女には帰るべき場所があり、 待っている人がいる (いた)。あなたはその絆を断ち切った誘拐犯だ。
- 7 : あなたは人間を 「ペット」 のように扱った。頭を撫でる、 命令する。人間が一瞬見せた屈辱の表情。
- 8 : 人間があなたの宝物を壊す、 あるいは邪魔をする。あなたは激昂し、 人間を怒鳴りつけてしまったかもしれない。
- 9 : 人間が鏡を覗き込んでいる。そこには人間だけが映り、 あなたの姿は映らない。隣にいるのに、 世界が違うという絶望的な証明。
- 10 : 退屈な日々。人間との会話さえ億劫になる。「所詮は定命の者 (モータル) の戯言だ」 と、 あなたは心を閉ざしたか。
- J : 人間が脱走を試みる、 あるいは外への手紙を書こうとする。その裏切り (とあなたが感じる行為) を、 どう罰した?
- Q : 人間があなたを恐れる。ふとした威圧感、 冷たい視線に怯えて後ずさる。そうだ、 それでいい。その恐怖こそが正しい関係だ。
- K : 人間が 「死」 について語る。「私が死んだら忘れてね」。その言葉は、 あなたに残される永遠の孤独を呪いのように強調した。
♠ スペード:渇きと鮮血
(タグ : -獲得 or +削除) 抑えきれない吸血衝動。暴力。外部からの脅威。あなたが 【捕食者】 であるという事実。
- A : 【強制イベント】 人間が怪我をする。鮮血の匂いが部屋に充満し、 あなたの理性が焼き切れる。※この後の判定はダイス-1 個。
- 2 : 空腹。喉が焼けるようだ。人間が話している内容など耳に入らない。ただ、 その首筋の血管の動きだけを目で追ってしまう。
- 3 : あなたが以前殺した人間の亡霊 (幻覚) を見る。「次はお前の大事なあの人間か?」 と亡霊は嘲笑う。
- 4 : 人間がふざけてあなたを驚かせる。あなたは反射的に攻撃態勢を取り、 爪を立ててしまったかもしれない。
- 5 : 城に迷い込んだ小動物や侵入者を、 人間の目の前で惨殺し、 血を啜る。人間は悲鳴を上げたか、 それとも凍りついたか?
- 6 : 満月の夜。血の気が騒ぐ。あなたは人間を部屋から追い出し、 鍵をかけた。「入ってくるな」 と叫ぶ声は、 獣の唸り声に近かった。
- 7 : 人間が不用意にあなたに触れる。その体温が不快なほど熱く、 あなたは乱暴にその手を振り払って、 人間を傷つけてしまう。
- 8 : 吸血鬼ハンター、 あるいは聖職者が城に近づく気配。人間を人質 (盾) にするという卑劣な考えが、 一瞬頭をよぎる。
- 9 : 同族の吸血鬼が訪ねてくる。「その人間、 美味そうだな。一口くれないか?」 あなたは同族に殺意を抱いたか、 それとも同意したふりをしたか?
- 10 : あなたは悪夢を見る。愛する人間を自らの手で殺し、 その血を最後の一滴まで飲み干す夢だ。目覚めた時、 隣で眠る人間を見てどう思った?
- J : 人間があなたに血を差し出す。「私の血でいいなら飲んで」。その自己犠牲は、 あなたへの愛か、 それとも諦めか。
- Q : 発作的な吸血衝動。人間を床に押し倒し、 牙を突き立てる寸前までいく。人間の瞳に映る 「絶望」 を見て、 ギリギリで踏みとどまれるか?
- K : 太陽への羨望。人間が日向ぼっこをしている。あなたが触れれば灰になる光の中で笑う彼/彼女を見て、 「自分は穢れた夜の住人だ」 と絶望する。
【クライマックス:エンディング】
ジョーカーが出た、 あるいは山札が尽きた時、 手元のトークンを確認して結末を選んでください。
エンドA:薔薇の奇跡
- 条件 : 【愛情】 が 10 個以上 あり、 かつ 【渇き】 が 3 個以下。
- 結末 : あなたの愛が、 呪われた血の宿命を上書きした。あなたはこれ以降、 血ではなく、 人間が育てる薔薇の蜜だけで生きていけるようになる。二人は永い時を、 陽だまりの中で共に過ごすだろう。
エンドB:朝日の遺言
- 条件 : 【渇き】 が 4 個以上 (限界に近い) だが、 【愛情】 も 5 個以上ある。
- 結末 : これ以上、 愛する者を危険に晒すわけにはいかない。あなたは人間が眠っている間に、 すべての財産と城を譲る手紙を残す。そしてバルコニーへ向かい、 数百年ぶりに昇る朝日を全身に浴びた。痛みの中で、 最後に思ったことは何だったろうか。
エンドC:永遠の鳥籠
- 条件 : 上記のどちらも満たさない。
- 結末 : あなたは人間を愛しているが、 それ以上に吸血鬼だった。あなたは人間を城から一生出さないことに決めた。この愛しい 「餌」 を、 誰にも渡さないために。か細い首筋に牙を立てる瞬間だけが、 二人の愛の形なのだ。